純米酒に特化したグラス形状を
約8年かけて開発
「ワイングラスで日本酒を楽しむ」という新しいコンセプトが広がるきっかけともなった『大吟醸』グラス。
「縦長の卵型」という形状は、吟醸造りと半分以上米を磨くことでもたらされる、フルーティな香りやすっきりとした味わいという大吟醸酒の特徴には最適な形状でした。
その反面、日本酒の豊かで上質な「うまみ」をじっくりと味わい尽くすには、極めて不向きなものだったのです。
2010年には 『純米』グラス開発の動きもありましたが、「純米酒」の多様性からプロジェクトは休止。試行錯誤を繰り返す中で、徐々に純米酒への注目度も増し、グラス開発のターゲットも明確化することで、ついに2017年にプロジェクトは再始動したのです。
のべ170人の蔵元や専門家の意見を集約し、一つのボウル形状が選ばれました。
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「この味わいを楽しんで欲しい」
という造り手の想いを。
のべ170人の蔵元と日本酒専門家が参加して行われたワークショップ。ターゲットとなる飲料に最適なボウル形状を選定するためのこのセッションは、消去法で進められます。今回の『純米』グラス開発に際しては、25種ものプロトタイプからスタート。ワークショップを繰り返し、最終的にひとつの形状へと絞り込まれました。お酒に込められた 「この味わいを楽しんで欲しい」 という造り手の想いを、『純米』グラスから感じ取っていただけるはずです。
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豊かでふくよかな
「うまみ」をじっくりと味わう
脂ののった刺身や焼き魚、豚の角煮などしっかりとした味付けの肉料理は、炊きたてのご飯によく合います。これらの料理が、純米酒と合わないわけがありません。
日本酒ならではの、豊かでふくよかな「うまみ」をじっくりと味わうことで、さらにお料理との濃密なマッチングを楽しむことができるでしょう。
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Not SAKE glass.
It’s DAIGINJYO glass.
2000年の開発から18年。この間『大吟醸』グラスは「日本酒」グラスと勘違いされ、「縦長の卵型」のボウル形状には不向きな酒質のお酒にまで『大吟醸』グラスが使われることが少なくありませんでした。これはとても残念なことです。「うまみ」をジックリと味わうには不向きな「縦長の卵型」のグラスで、「うまみ」を味わってほしいというお酒が飲まれてしまう。「縦長の卵型」のグラスが、全ての日本酒に適するわけではないのです。大吟醸酒には大吟醸酒の、純米酒には純米酒のためのグラスが必要なのだという強い思いから、この『純米』グラスが開発されました。
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純米酒とは
米、米麹、水のみを原料にして醸造したもの。醸造アルコールを使用せず、米に由来する風味が豊かで、一般的に旨味やコク、ふくよかさなどの特徴が強く出ている濃醇なタイプ。
『純米』グラス
大ぶりで横長、飲み口の口径が大きい形状が、純米酒の特徴である、ふくよかな米の「うまみ」を引き出し、柔らかくクリーミーな質感を口中に長く留めます。
お米を磨いていない酒、少し熟成感の強い酒、少し蒸れたタイプの酒はネガティブな表現になりがちだが、この純米グラスではそういったタイプのネガティブな要素よりも、米の持つ本来のポジティブな要素が最大限に引き出され、ネガティブな要素が感じ取り難くなる。
君嶋哲至
株式会社 横浜君嶋屋 代表取締役
日本ソムリエ協会副会長
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ワインの個性を引き出すために
リーデル独自のグラス開発
ワインがどのように口の中に入っていくか。また、舌の上をどのように流れていくかによって味わいの印象が変わります。そのため、リーデルは世界中のワイン生産者たちと共に納得のいくまでワークショップ(テイスティング)を繰り返し、最適なワイングラスの形状を探し当てるというプロセスを経て、グラスの開発を行っています。
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世界最高水準の技術をもつ
リーデルのドイツ工場で生産
世界最高峰のテクノロジーを持つドイツ工場で生産されたグラスは、機能的で高品質な上に、価格もリーズナブル。リーデルのマシンメイドが発表された当時、ワイン愛好者や業界関係者に強い衝撃を与え、ワインとグラスには密接な関係があるという事実と共に世界中に普及しました。世界の傑作ワインを日常的に楽しんでいただくためのグラスとして、リーデルのマシンメイド製品は不動の地位を築いています。
研ぎ澄まされた味わいが魅力の大吟醸酒とは対照的に、複雑で奥深い旨味が魅力の純米酒のためのグラスは、その香り、味わいを最大限に引き出すために大ぶりで横長、飲み口の口径が大きい形状となりました。